「・・・・・・・・・・・・・っ・・・」
「どうしたんだね?マスタング大佐。」
キング・ブラッドレイはうっすらと口元に笑みを称えて、問い掛けた。
「・・・・いえ・・・・」
短く返答する。
「閣下の、好きなように・・・・」
「・・・ふむ。実に従順だな」
軍服を脱ぐように命じられて、脱いでいる途中に背後から腕を押さえられた。
「君は本当に頭がいい男だ。飼い犬の意味を、よく理解している」
「……」
背中から抱えられて、両脚を開かされた。
露にされた場所を、ブラッドレイの年相応に老いている指がゆっくりと這わされる。
年をとる、ホムンクルス。見事なまでに、騙されていた。
「何か問題が?」
ブラッドレイの質問を頭の中で反芻する。
「……っ……」
問いたい事は全て口に出した。答えは望むものでは無かったが。それ以上踏み込む時ではないと判断した後は、今まで通り従順なふりを続けなければならない。ましてや、今は弱みを握られてしまっている。

ブラッドレイのふしくれだった指がロイの前に絡んだ。強すぎもせず、弱くも無い強さで扱われ、意志に反してそれはブラッドレイの手の中で硬さを増していく。
「…おや、もうここは濡れているようだが」
低い声が耳朶に触る。ロイの全身がぞわりと粟立った。
先走る先端を強く親指で押しつぶされて、ロイは目を閉じて唇を噛み締めた。止めるように伸ばしたロイの手を、ブラッドレイがゆっくりと解く。
「もう少し、腰を上げたまえ、マスタング大佐」
「――…」
目を閉じて、ロイは命じられるままに動いた。ロイが上げた腰の下にブラッドレイはもう一方の手を差し入れる。
「……あ………くっ…」
準備も無く、いきなり後ろに指を押しこまれて、思わず声が漏れる。
「―…もう十分に、慣れた筈だと思ったがね」
「…い……っ…」
「どこも熱いな。ここも、ここも」
「あっ……あ……っ」
掻き回され、擦れる度に、開かされた両足が痙攣するようにびくびくと震える。
前と後ろに同時に愛撫を受けて、溶けるような熱が灯る。
あっさりと飲まれそうになる波を何とかやり過ごしても、速まるブラッドレイの指の動きに、直ぐ様突き上げるような波がくる。
「や、め………」
「ん?何か言ったかね?」
制止の言葉を飲み込んで、ロイは眉を寄せた。きつく閉じた目頭が滲む。
深く後ろに突き入れられて擦り上げられて、ロイは腰を振って喉を反らした。
「は……っあ……っ………っ…」
先端から溢れてでたものがブラッドレイの指と、床を濡らす。
搾り取るように更にゆっくりと擦りあげられ、その刺激にロイは呻いた。
「…ん…く…っ…あ……っ…」
荒い息を吐きながらロイは四肢の力を抜く。硬くしていた体から力が抜けて、後方に倒れた。背中からロイを押さえ込んでいるブラッドレイに寄りかかるような形になる。
頬と唇にロイの黒髪が触って、ブラッドレイは一瞬動きを止めた。戸惑うような表情を一瞬面に浮かべた後、直ぐに先刻よりも険しい表情をその面に浮かべた。
「……こんなものでは、まだ君の忠誠心ははかれんな」
「――…」
ブラッドレイがロイの髪を掴んで、床に強く押さえ込んだ。
腰を掴まれて高く抱え上げられる。下半身をブラッドレイの前に突き出したような体勢をとらされる。
「……ふむ、よく見えるな」
「……っ……」
「今度は自分でやってみせたまえ。マスタング大佐」
酷薄な笑みを浮かべたままで、ブラッドレイが上から次の命令を下した。

2006/7/31の日記絵にちょっとだけ文を足しました。

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