「私がホムンクルスでどうしたのいうのかね?何か問題でも?」
両腕を後ろに組んで、いつもの声の調子でキング。ブラッドレイはゆっくりとそう口にした。
だがその目の奥は笑ってはいない。
鋭く、獲物を追い詰める時の獰猛な獣の目をして、ブラッドレイは立っていた。
一歩一歩ロイの元まで歩いてくる。
鞘から抜いたサーベルの切っ先を、ロイに向けて、ブラッドレイは酷薄な笑みを口元に浮かべた。
向けられた切っ先から逃れようとした背中と腕を背後から捉えられる。
ロイは身じろいで、肩に指の強さに眉を寄せて振り返る。
そこには先刻まで肩を並べて、冗談を交えた会話を交わしていた、レイブンが立っていた。

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