ハボック 「だから、今日は寒くなるって言ってたでしょうが」
ロイ 「……だから嫌なのだ、この時期は。先刻までは上着など必要ないくらいだったのに」
ハボック 「…そうッスか?俺は好きですけどね。紅葉は綺麗だし…ほら、コート、持ってきてるっスから。ちゃんと着てください」
ロイ 「…お前はいいのか」
ハボック 「俺は大佐とは鍛え方が違いますから」
ロイ 「……」
ハボック 「冷え切ってるじゃないっスか」
ロイ 「…お前はいつも以上に体温高くないか?」
ハボック「そりゃあ、大佐といるせいでしょう。体温も上がりますよ」
ロイ 「………」
ハボック 「なんスか。その目は」
ロイ 「――いや。いつも付き合ってる女性に大してこんな風な扱いをしたり、そういう言葉を言ってやってるのかと思ってな」
ハボック 「――あんたにだけですよ。ところで、抱きしめてもいいですか?」
ロイ 「駄目だ」
ハボック 「……たまには別の答えも聞きたいっスけどね」
ロイ 「!!な、にをする!離せ」
ハボック 「…こうしてると、もっとずっと温かいでしょう?」
ロイ 「…どこだと思ってる」
ハボック 「それくらいの力じゃ、もう離しませんよ」
ロイ 「――………」
ハボック 「俺の体温があんたを温められる。だから俺、今の時期って好きなんスよ」

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