Back    Next    **CP注意。無理矢理など苦手な方はご注意下さい。

    ***

「そのままで行くわけに行かないでしょう?私が出して差し上げますよ。中のものを」
「――!?」
再度伸びてきたキンブリーの手が、ロイの腕を捕らえた。
「い…やだ」



「触るな!放せ」


「…あんまり力が入ってないですねえ…ああ、動かないで。あまり手間取らせないで下さい、時間もないんですから。出すだけですから」
「…いい、から…は、な――」




キンブリーの腕を振り払おうとするロイの手には力が入っていない。
虚勢を張る姿が、そこで無理に抑え込もうとしていたキンブリーの加虐心をくすぐるという事に、気づいていないロイが哀れにすら思えた。
ロイの首筋に触れたキンブリーの口元が上がる。

ロイの腰を抱きこむように引き寄せながら、直ぐに左手の指で探り当てた秘所に侵入させる。
ロイのことなど考えずに、むしろ追い詰めたい欲望のままに、そこに全て吐き出した。
深く差し入れると、濡れそぼったそこは、淫猥な音を立てる。

ビクリと、ロイの肢体が跳ねた。

    ***


湧き上がる嫌悪感に、ロイは眉を寄せて奥歯を噛んだ。
やっと開放されたと思っていた場所に、キンブリーの指が抵抗を無視して押し入ってくる。
中に放たれた欲望の残滓を、ただ出すだけだ、と言ったキンブリーは、ロイの敏感な場所を差し入れた指のはらで必要以上に擦り上げる。
「や…め…」
どうにか引き剥がそうと、背中に回した手でロイはキンブリーの軍服を掴んだ。
けれど、残った力を振り絞ろうとしたその力は、ロイの中を無遠慮に掻き回す指が与える刺激によって、あっさりと奪われる。

「あ!」
濡れた場所を、強弱をつけて何度も擦りあげられて、ロイの四肢は勝手に跳ね上がる。
「い…ん…っ」
掠れた、嬌声に近い声が噛んだ口唇をついて何度ももれる。

ロイの全身が粟立った。
中のものをかきだすだけには必要のない指の動きに、無理に受け入れさせられていたキンブリーのもので、突き上げられていた時よりも強い嫌悪を覚えた。
まだ苦痛を堪えて時をやり過ごしている方がましだと、そう思った。
キンブリーに散々擦られて敏感になったそこは、中で動くキンブリーの指の動きをはっきりと感じ取る。
fぐいと深くキンブリーの指が深い場所を突く。
「あ!あ、あ…っ」
無意識に腰を振って、ロイは声を上げて喉を反らした。




    ***


流れ落ちたものがロイの足を伝い落ちた。
それが土の上に幾つもの染みを作る。

自分が変わっていく気がした。
変わらなければ、ここでには自分をたもっていられない、と思った。

情けない、とロイは自分を嘲る。

こんなに惨めで、ただ虚しさと辛さを味わうような行為に逃げなくては、自分を保っていられないのか。

胸に湧き上がってくる感情を、ロイは抑えきれない。

速い息を吐きながら、キンブリーから出来る限り顔を背け、ロイは目を閉じた。



Back    Next
20080824

                      戦地で   #2 キンブリーの思惑 D (ヒューロイ前提キン→ロイ) R16