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白い息を吐きながら、ハボックが天を仰いでいると

パラパラと白い雪が 落ちてくる。

白い息を吐きながら ハボックは両肩を抱きしめた。

陽が傾き その姿を隠していくと 辺りには闇がゆっくりと下りてくる。

こんな日に限って 仕事が忙しかった。

ハボックの待ち人は
帰り際に執務室で書類を抱えて 険しい顔で電話に出ていた。

「・・・・・・はあ・・・・」

サクサクと後ろから聞こえる土を踏む足音。

「・・・・!」
ハボックは 振り返って目に入った人の姿を見て 笑う。
「・・・・・・・・・・・遅れた」
「大佐」
「どのくらい待っていたのだ?何故どこか店に入っていないのだ」
「・・・あ・・・そうっすね。でもスレ違いたくなかったですし」
「・・・・・・・」
眉を寄せて ロイは顔を顰めた。

「・・・・馬鹿が・・・冷えきってるではないか」

ハボックの首に巻かれた紺色のマフラーを
隙間がないように巻きなおして
ロイは ハボックを見つめ返した。
見つめる青い双眸は 怒るどころか すごく嬉しそうで
ロイは いたたまれない気持ちになって目をそらす。

「・・・・急いでいたので、何も持ってきてないぞ」

ハボックはロイの腕を掴んで 引き寄せた。
強く腕の中に抱きすくめる。

「何もいらないッスよ。大佐がいてくれれば、何も」

「・・・・・・・・・・・・・」

ハボックの胸に 頬を寄せて ロイはゆっくりと目を閉じた。

「・・・メリークリスマス 大佐」

「・・・・ああ」




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